企業が保有する個人情報の管理は、法改正やガイドラインの見直しに合わせて継続的な対応が求められます。特に人材紹介会社では、多くの求職者情報や企業情報を扱うため、システム改修や業務フローの見直しが必要になるケースも少なくありません。
しかし、社内に法改正とプロジェクト管理の両方に対応できる人材が不足している企業も多いのが実情です。本記事では、人材紹介会社における改正個人情報保護法への対応プロジェクトを例に、WithConsulを通して紹介したコンサルタントがどのようにシステム改修やベンダーコントロールなどのPMO支援をしたのかをご紹介します。
人材紹介会社が改正個人情報保護法への対応を迫られた背景
人材紹介業を行う企業Sでは、個人情報保護の改正に伴い顧客情報の管理システムの改修の必要性が生じていました。
例えば、顧客の名前を伏せた「仮名加工情報」は、開示個人情報ほど厳密な取り扱いをしなくてもよいとするといった規制の緩和の動きが見られます。一方で、 法改正により個人情報の適切な管理体制やシステム運用の重要性が一層高まりました。
これらの点から人材紹介業をおこなう企業は、顧客の名前をマスキングした加工情報をより柔軟に扱えるようになった傍ら、より厳密に情報データベースの管理およびシステム運用を促されることとなります。S社も例にもれず、人材紹介会社が管理してよい情報および採用前にクライアント企業に開示してよい情報の線引きが法令に則る形で変更となったため、対応を行える人材の登用が急務となりました。
こうした背景から、社内の業務フローや情報管理ルールを整理し、法令に準拠したシステム改修を推進できるPMO人材が必要となり、WithConsulへご相談いただきました。
コンサルタントによるPMO支援内容と成果

コンサルタントのT氏の支援により、改正個人情報保護法に対応したシステム改修プロジェクトは、法施行スケジュールに合わせて円滑に進行しました。
改正個人情報保護法に対応したシステムの改修を担うのは外部のシステム開発会社であり、発注や進捗管理といったベンダーコントロールというシステム関連の業務と、求職者と紹介先企業に接するエージェントのためのマニュアルの実装というドキュメント関連の業務が、コンサルタントT氏の行ったPMO業務となります。
T氏は基本的にリモートでの稼働となりましたが、法改正の施行に間に合わせるために細かなWeb会議を重ね、クイックに情報をキャッチアップして実装に寄与しました。特に注意を払ったのは、改正個人情報保護法に対するクライアントの解釈が適切であるかの確認と、その解釈に適った形でシステムが実装されているかのベンダー側の解釈の確認だったとのことです。
このような法律や税制度の改正への対応を起因としたシステム改修は、トップダウンで言われるままに進行した結果、制度の解釈が根本から間違っていたという可能性もゼロではありません。特にリモートワークでクライアントとのコミュニケーションが制限される状況であればこそ、アサイン先に常駐する以上に情報の子細な確認が求められます。
プロジェクト成功のポイント
本プロジェクトでは、法改正への対応という専門性の高いテーマに対し、PMOとして参画したコンサルタントT氏がプロジェクト全体の調整役を担ったことが成功の大きな要因となりました。
改正個人情報保護法への対応では、法令を正しく理解するだけでなく、その内容をシステム要件へ落とし込み、開発ベンダーや現場担当者との認識を一致させながらプロジェクトを推進する必要があります。本案件では、ベンダーコントロールや進捗管理、関係者間のコミュニケーションを円滑に進めることで、認識の齟齬を防ぎながら計画どおりにシステム改修を進めることができました。
また、リモート環境下でも定期的な打ち合わせやドキュメント整備を徹底したことで、関係者全員が共通認識を持ちながらプロジェクトを推進できた点も、成功につながった重要なポイントです。
この事例から企業が学べること

法改正や制度変更に伴うシステム改修は、一時的に発生するプロジェクトである一方、高い専門性が求められるケースが少なくありません。そのため、自社だけで対応しようとすると、法令の解釈やプロジェクト管理に時間と工数がかかり、本来注力すべき業務に影響を及ぼす可能性があります。
このようなプロジェクトでは、必要な期間だけ専門知識を持つ外部人材を活用することも有効な選択肢です。外部コンサルタントを活用することで、プロジェクト全体の進捗管理や関係者との調整、ベンダーコントロールを任せることができ、社内メンバーは意思決定や業務改善など本来の役割に集中できます。
法改正への対応だけでなく、DX推進や基幹システムの刷新など、期間限定かつ専門性の高いプロジェクトにおいても、外部コンサルタントの活用はプロジェクトを成功へ導く有効な手段といえるでしょう。
最後に
本事例では、改正個人情報保護法への対応に伴うシステム改修プロジェクトにおいて、PMOとしてコンサルタントT氏がベンダーコントロールや要件整理、ドキュメント整備を支援しました。法改正や制度変更への対応では、システム開発だけでなく、関係者との調整やプロジェクト全体を推進するPMOの役割が重要です。
クライアントからは、「Tさんには専門領域でない分野でのシステム対応をお願いしておりましたが、すぐに自社の人間に追いつく形で人材紹介業や個人情報関連に詳しくなっていただき、安心して業務を任せることが出来ました」との声をいただいております。
WithConsulでは、法改正対応や業務改善、システム導入など、企業の課題に応じた経験豊富なコンサルタントをご紹介しています。お困りのことがございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。

篠﨑 元彦
株式会社MOVER&COMPANY 代表取締役
早稲田大学卒業後、Accentureに入社。業務改革やシステム導入プロジェクトに従事。
その後、コンテンツ企業にて最年少執行役員として新規事業立ち上げや経営戦略を担当。
2008年に株式会社MOVER&COMPANYを設立し、戦略・業務・IT領域を中心としたコンサルティング事業を展開。自身もフリーランスとしての活動や起業経験を持ち、
現在はフリーコンサルタント向け案件紹介サービス「WithConsul」を運営している。

WithConsulは、フリーランスコンサルタントおよび独立を検討するコンサルタント向けに、案件紹介・キャリア支援・独立ノウハウを発信する専門メディアです。
運営会社である株式会社MOVER&COMPANYは、戦略・業務・IT領域のコンサルティング事業を展開しており、企業向けコンサルティング支援と並行してフリーコンサルタント向け案件紹介サービスを提供しています。
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