「経済産業省の「外部人材活用ガイダンス」から読み解くフリーランスコンサルタント活用のメリット」という記事では、経済産業省の関東経済産業局による「外部人材活用ガイダンス」についてご紹介と解説をいたしました。こちらのガイダンスには、当記事で扱った外部を扱うメリット以外に、外部人材(フリーランス)を実際に探す方法が紹介されています。
また、「中小企業庁の「人手不足対応ガイドライン」から読み解く適切な人材の採用方法」という記事では、中小企業庁発行の「中小企業・小規模事業者 人手不足対応ガイドライン」を基に、人手不足に対応するべく適切な人材を採用し企業に定着してもらう仕組みを5段階のステップでご紹介しました。
外部人材を扱うメリットと、適切な人材を登用するステップについてご紹介したところで、今回は外部人材を実際に探すための方法を、外部人材と接触する具体的な窓口に触れながら解説していきます。
外部人材の募集要件の作成
外部人材を募集するには、案件への携わり方と報酬を定める必要があります。案件の型を把握し、募集要項を作成し、値段感を決めることで具体的な求人を出すことができます。求人情報を過不足なく作成することで、募集したい人材とは違う人ばかりが応募してきてしまうといったミスマッチを防ぐことができます。適切な募集要件の作成のために必要な3ポイントを見ていきましょう。
募集の際の3つの型の把握
外部人材を起用する仕事には3つの種類があり、期間や業務内容からタスク型・プロジェクト型・ミッション型に分けられます。
タスク型とは、業務に携わる期間が比較的短く、明確な納品物が存在する従来の「アウトソーシング」の形の仕事です。ロゴのデザインやオフィシャルサイトの作成、Excelへのデータ入力といったように、具体的な電子データを送付したりクライアントが扱えるように共有したりすることで業務が完了します。
プロジェクト型とは、業務に携わる期間が数ヶ月から数年と中長期で、業務範囲や成果物が比較的明確な仕事です。社内の情報システムの構築や新商品の販促キャンペーンの実施といったように、トップダウンでオーダーされたデータを納品するだけでなく、外部人材が主体性を持って携わりプロジェクトを遂行することで業務が完了します。
ミッション型とは、業務に携わる期間や成果物を規定せず、与えられたミッションに応じて役割を担う仕事です。企業のブランディング向上や優れた人材開発の仕組みの導入といったように、具体的なタスクやプロジェクトに限定されない中で、社員と同じレベルでの帰属意識や責任を持ちながらクライアントの要求を満たすべく業務を行います。期間が定まっていないこともあり、クライアント次第では業務が完了せず、外部人材として起用し続けたり、正社員としての採用を打診することもできます。
従来のアウトソーシングのようなタスク型の仕事から、より中長期で主体的に携わるプロジェクト型、クライアント組織の内部に深く関わり一定の役割を担うミッション型の仕事まで、フリーランスの幅広い活用法が存在するのです。
募集要件の記述
上記の外部人材活用の3つの型を目安に業務内容が定まったら、具体的な募集要項を作成します。基本的な項目は正規雇用のための求人要件と同じですが、外部人材の場合は追加で記載すべき項目があります。
まず、業務内容と成果物について詳細を記述します。社内にどのような課題があり、その課題を解決するべく現在どこまで着手していて、外部人材にはどのようなポジション・役割を期待し、どのような成果物を納品・提供してほしいかを記載します。また、当該業務にはどの程度の稼働を求めるかを稼働時間や割合で示します。
どのような経営課題があるかといった、外部人材募集に至る背景が明示化できない場合は、適切な人材を採用し企業に定着してもらう準備がまだできていないかもしれません。「中小企業庁の「人手不足対応ガイドライン」から読み解く適切な人材の採用方法」という記事のステップ1およびステップ2をご参照ください。
また、納品物・成果物を明確に規定する請負契約であれば納期を、委託する行為・業務を規定する準委任契約であれば契約期間を、それぞれ記載します。最後に勤務形態(本社で働くのかリモートワークかなど)や契約形態、業務に利用するツールやシステム(PCであればスペックの規定など)を記載して募集要項は完成となります。
値段感の検討
フリーランスに支払う報酬は、準委任契約か請負契約かによって考え方が異なります。先述のとおり、請負契約は納品物・成果物を明確に規定されており、準委任契約は委託する行為・業務が規定されている契約形態です。
準委任契約は具体的な納品物や成果物をベースに報酬を定めることができないため、時間単位での単価に工数を掛けた「稼働報酬」の形で報酬額を定めます。一般的にはひと月当たりの稼働単価(人月単価)に工数の割合(%)を掛け合わせることで報酬額が定まります。委託する業務の業界水準に照らして妥当な値段感を検討しましょう。
請負契約は成果物・納品物ベースで報酬を定めることができるため、「成果報酬」の形で報酬額を定めます。納品物自体の単価から報酬を定めることもあれば、規定した条件における達成度合いからの歩合制で報酬を定めることもあります。
フリーランス人材の中には最初から報酬が定まっていることを好むタイプもいれば、自身の活躍により報酬が上がる余地のあるほうが意欲を持って仕事ができるタイプもいます。契約形態や業界のスタンダードから報酬体系を考えることも大事ですが、どのような人材に携わってほしいかという視点から報酬のあり方を定めることも適切な人材登用には重要です。
外部人材登用の窓口
募集要件の作成が完了したら、その募集要件を掲載し人材を探すための窓口を定めましょう。窓口は大きく民間主体のマッチング事業者と政府主導の経営支援機関の2種類に分かれ、紹介やフォローアップの仕組みが異なります。それぞれ見ていきましょう。
マッチング事業者
民間企業が行うマッチング事業には、再委託型・あっせん型・プラットフォーム型・メディア型の4種類があります。
経営支援機関
行政では外部人材の活用が日本の成長戦略のひとつに定められており、積極的な外部人材の活用を支援する活動を行っています。その活動の一環が行政主導での経営支援機関の運営であり、非営利法人や地域の金融機関と組むことで中立的な立場での人材の動員を支援しています。
非営利で中立的であることから、適していない人材を利益目的で無理に紹介することがない点が特徴です。「求人ステーション」という、業務委託による人材活用の無料相談窓口が代表的です。
マッチング事業者を活用するメリット
業務委託による人材活用を行った経験が浅い場合は、業務の規定や契約書の作成に慣れておらず、契約後にトラブルになる可能性があります。マッチング事業者を利用し、求人や採用後のフォローアップを委託することで、スムーズに外部人材を起用し、パフォーマンスを最大限に活かして活躍してもらうことができます。
外部人材を活用したい企業は、携わってほしい案件や人材に特化したマッチング事業者を探し依頼することで、専門的な知見から優れた人材を紹介してもらえるようになります。Web検索を通じてひと通り調べてみることをお勧めします。
まとめ
今回の記事では、外部人材の探し方について以下の内容を記載しました。
- 外部人材募集の3つの型を作成し、募集要項と報酬体系を定めることで求人情報を作成できる
- 外部人材登用の窓口は民間のマッチング事業者と行政主導の経営支援機関に分かれる
- マッチング事業者は特定の業界に精鋭化しており、人材が欲しい業務に該当するマッチング企業を活用することが有効である
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